買う気にさせるお店の仕掛け

買う気にさせるお店の仕掛け

買う気にさせるお店の仕掛け

お店はお客さんに買ってもらおうとあの手、この手の仕掛けをしています。

それをあらかじめ知っておくと、色々とメリットがありそうですよね。

 

 

お客がつい買いたくなる商品陣列トリック

買う気にさせるお店の仕掛け

いくつかのスーパーに足を運んでみると、はじめてでも買い物がとてもスムーズにいく店がある一方で、買いたい商品を捜すのに右往左往してしまう店もある。

買い物しやすい店では、欲しいモノが自然と視野に入ってきて、捜さなくても商品が「おいでおいで」と手招いてくれる。そうでない店では、商品の名前を呼んでもなかなか返事が返ってこない感じだ。この違いはなんなのか?

通路の広さや表示のわかりやすさの違いはもちろんあるけれど、それだけではない。棚のどこに商品が置かれているか、この違いも大きい。

実は、棚の色分けについては、業界に伝わる″売れる陳列マニュアル″なるものがある。

そのマニュアルとは、棚を上から大きく3分割し、「いちばん売りたい商品を目線の先にある中段に、黙っていても売れる低価格の必需品を下段に、いわゆるお店のとっておき商品を上段にもってくる』というもの。

実際にスーパーの陳列棚の前に立ってみるとわかるが、まず視野にバーンと入ってくるのは目線の高さにある商品。しかもこの場所にある商品は、体勢を変えずにラクに手に取れるため、さほど買う気がなくともつい買ってしまいやすい。そこで、消費者のニーズが高く、しかもどんどん回転させたい中程度の価格の商品をここにもってくるわけ。

とくに、もっともラクに手に取れるのは、視線よりほんの少し下から、ヒジをまっすぐ伸ばしたあたりにあるモノ。そう言えば、と自分が買い物してる姿をイメージしてみると、ついついラクな位置にある商品から優先的に買うモノを選んでいるような気がする。

ちょっと腰をかがめないと取れない下段にくるのは、売りたいモノ以上に必ず回転よく売れるモノ。コンスタントに売れる商品は比較的低価格で、量産するため陳列スペースを多くとるのが特徴。だから下段にあってもそれなりに目立ち、確実に売れてしまう。

逆に、目線から30度上くらいまでの間=上段にくるのは、下段とは逆に、比較的単価が高く量産しないもの。いわばお店でも自慢のおすすめ品いろいろの定位置。それほど回転しなくても、単価が高いから中段、下段とのバランスはとれてしまう。

こうして、売り手にも消費者にとっても好都合な陳列棚はでき上がる。お客側は、この陳列マニュアルを知ることで、スムーズに、しかも買わせる戦略に乗せられることなく上手な買い物ができるはず。買いやすいという都合のよさにつられて、余計な買い物をしないように、このマニュアルを賢く応用したいもの。

 

 

「安い!」といわせる価格設定

買う気にさせるお店の仕掛け

モノを買う決断をするときの最大の基準は価格だろう。いくら必要で欲しいものでも、お金がなければ買えないのは当たり前として、たとえ買える値段のものでも、その内容…品質のわりに値段が高いと思えば買わないもの。

同じモノでもスーパーによって値段が違えば、1円でも安い店で買うのが利口な消費者だ。そんな利口な消費者を相手にするメーカーやお店のほうも、価格については知恵をしぼっているはず、と思いきや、案外といいかげんだったりする。

小売店での価格は、仕入れ値があって、それに経費と利益を乗せる、という計算方法で決められている。つまり、小売店が決めるのが原則。その逆に、「定価」のあるものは、メーカーが希望小売価格を決め、それを基準にして、その何パーセントで出荷するかを決めていく。

いずれの場合も、原価があって、それに各流通段階での経費と利益が乗せられているわけだ。ところが、なぜか、最後の数桁が80円とか800円という価格になっているものが多い。3万6800円、4980円、980円なんて具合にだ。

厳密に原価に何パーセントを乗せて、と計算していけば、もっとバラバラの価格になるはずなのに、同じようになってしまうのは、見た目を安く感じさせるための数字のトリックを利用している。

3万7000円とするよりは、3万6800円としたほうが、たった200円の違いだけど、売れ行きがいいのである。スーパーなどでは1円の単位にまでこの原則が適用され、9688円なんていう表示があったりする。

そんな値段は、もしかしたら、本当は9600円でも十分に利益が出るのに、わざと88円乗せていると考えたほうがいいかもしれない。

8は末広がりで縁起がいいから好まれるとか、9は苦しむにつながるから嫌われるとか、数字という記号にまで、「意味」をつけたがるのが商売人のようだ。要するに、価格なんて、かなりいいかげんに、その場の感覚で決められているものが多いということ。

2004年の4月から消費税を含めた総額を表示することが義務づけられるようになった。980円という価格の隣に消費税を加算した1029円を表示しなければならない。それよりも、消費税5パーセントをプラスして999円と3ケタで終わるようにしたほうが安く感じるのは明らか。価格を少し押さえても売れ行きを優先する店も少なくない。