喫茶店、パチンコ店…椅子からわかるお店事情

喫茶店、パチンコ店…椅子からわかるお店事情

喫茶店、パチンコ店…椅子からわかるお店事情

客を座らせることで商売をしている店は多い。立ち食い以外の飲食店はたいがいがそうだし、パチンコ店もそのひとつ。

ファーストフードや安いコーヒーの店は、客の回転率を上げることが、利益につながるので、あまりにもゆったりとして座り心地のいい椅子は置いてない。カウンターの椅子は、高くて足がブラブラするし、背もたれもない。テーブル席も狭く、椅子にもクッションはない。

その一方で、高級クラブとなると、フカフカのソファーで、いったん座ったら、看板まで立ち上がれないような椅子になっている。

こちらは、1人の客が1分でも長くいてくれれば、それだけお金を落としていくことになるのだ。

では、客と店とが勝負する関係にあるパチンコ店の場合はどうか。

どこの店も単純な丸椅子のように見えるが、そんなことはない。椅子ひとつにもその店の経営方針が反映されているのだ。

小さくて固く、しかも高くて足が地につかない椅子の店は、要するに回転率を早くしたい店で、駅前などによくある。

その逆に、郊外にある店はやわらかくて、座り心地がいい椅子の場合が多い。周囲の人が少ないので、回転率をよくするよりも、1人の客に長くいてもらったほうが、店としても儲かるからなのだ。

もっとも最近では、都心でもサービスを売り物にしてフカフカの椅子を設置し、CDまで聞くことができるなんてサービスを行っているところや、彼女と2人で座れるペアシートなんていうのまである。

こんな設備投資をするにはお金がかかるから、当然どこかで回収しなければならない。こういう都心型の豪華な店では、出るときには笑いが止まらないくらい出るが、出ないときはとことん出ない。居心地がいいからといって出なくても粘っていると、とんでもない落とし穴にはまってしまうことも。

いずれにしても、その店の椅子の座り心地が悪いということは、店には客に長くいてもらおうという意志がないことを意味している。そういう店では、客としても長時間がんばってもムダなのだ。短時間でケリをつけたほうが、お尻も懐も痛まないですむ。